プロテインの選び方【ホエイ・ソイとWPC/WPI/WPHの違い】
プロテイン選びを「原料」「製法」「EAAとの棲み分け」の3ステップで整理。WPC・WPI・WPHの価格差、目的別の選び方、初めての1袋のチェックリストまで解説します。
EAA・BCAA・グルタミン・アルギニン・シトルリンの5つを1枚の表で比較。含まれるもの・用途・摂取量・コストの違いと、買う順番を解説します。
アミノ酸系のサプリメントは、EAA・BCAA・グルタミン・アルギニン・シトルリンと種類が多いわりに、パッケージの説明だけでは違いが分かりにくい分野です。どれも「アミノ酸」で、どれも「トレーニングをする人向け」と書かれているからです。この記事では5つを1枚の表に並べて、それぞれが何のためのもので、自分に必要なのはどれかを絞り込めるようにします。
アミノ酸サプリは、大きく2つのグループに分かれます。
前者は「プロテインの代わりになるか」という軸で考え、後者は「プロテインとは別の目的で足すか」という軸で考えます。ここを混ぜると選べなくなります。
| 含まれるもの | 主な用途 | よくある摂取量 | 1回あたりの目安コスト | |
|---|---|---|---|---|
| EAA | 必須アミノ酸9種類 | トレーニング中・空腹時の補給 | 5〜15g | 80〜200円 |
| BCAA | 必須アミノ酸のうち3種類 | トレーニング中の補給 | 5〜10g | 50〜120円 |
| グルタミン | グルタミン単体 | ハードな期間のコンディション維持 | 1回5g | 15〜40円 |
| アルギニン | アルギニン単体 | トレーニング前 | 2〜5g | 30〜80円 |
| シトルリン | シトルリン単体 | トレーニング前 | 6〜8g | 40〜100円 |
コストは製品・容量・為替で変動するため、あくまで比較のための目安です。
BCAA(分岐鎖アミノ酸)はバリン・ロイシン・イソロイシンの3種類を指します。「分岐鎖」とはアミノ酸の側鎖が枝分かれしている構造のことで、この3つは肝臓ではなく主に筋肉で代謝される点が特徴です。
EAA(必須アミノ酸)は、体内で合成できない9種類すべてを指します。BCAAの3種類に加えて、ヒスチジン・リジン・メチオニン・フェニルアラニン・スレオニン・トリプトファンの6種類が入ります。
つまりBCAAはEAAの一部です。EAAを摂ればBCAAも同時に入ってきます。この包含関係が、近年EAAを選ぶ方が増えている理由です。
たんぱく質の合成には9種類すべてが必要とされるため、3種類だけを大量に摂る設計より、9種類そろっている方が理にかなっているという考え方が広がりました。
EAAはトリプトファンなど苦味の強い成分を含むため、味の調整が難しいとされています。フルーツ系フレーバーで飲みやすくした製品も増えていますが、素の状態ではBCAAの方が飲みやすい製品が多い印象です。価格も、配合するアミノ酸の種類が少ないぶんBCAAの方が抑えられます。
| 状況 | 選択 |
|---|---|
| プロテインを毎日飲んでいる | どちらも急がない。まずプロテインの量を見直す |
| トレーニング中に飲む1本を選ぶ | EAA(9種類そろう) |
| コストを最優先する | BCAA |
| 味で挫折したくない | BCAA、または味を調整済みのEAA |
| 菜食・ヴィーガンで食事が偏りがち | EAA |
ホエイプロテインには9種類の必須アミノ酸がすべて含まれています。プロテインを日常的に飲んでいる方がEAAを足す優先順位は、実はそれほど高くありません。まず1日のたんぱく質摂取量を数えるほうが先です。
もう一段だけ具体的に比べてみます。3つのなかでとくに注目されるアミノ酸がロイシンで、たんぱく質の合成のスイッチに関わるとされ、1回あたり2〜3g前後が目安として語られる成分です。この量を軸に並べるとこうなります。
| 1回量 | 含まれるロイシン(目安) | |
|---|---|---|
| ホエイプロテイン | たんぱく質25g | 約2.5〜3g |
| BCAA(2:1:1) | 10g | 約5g |
| EAA | 10g | 約1.5〜3g(製品差が大きい) |
ここから2つのことが分かります。
ひとつは、ホエイプロテインを1杯飲んだ時点で、ロイシンの目安量はすでに満たされているということ。プロテインを飲んでいる人がその直後にEAAを足しても、ロイシンについては上積みが小さくなります。
もうひとつは、BCAAはロイシンだけが突出して多いということです。ロイシンは合成のスイッチに関わるとされますが、実際に材料になるのは9種類そろったアミノ酸です。スイッチだけ入れて材料がない状態になりやすい——これが「BCAAよりEAA」と言われるようになった実質的な理由です。
コストも揃えて比べてみましょう。ホエイプロテインの必須アミノ酸の割合はおおむね45〜50%とされるので、たんぱく質25gのうち必須アミノ酸は11〜12g前後という計算になります。
| 1回のコスト | 摂れる必須アミノ酸 | 必須アミノ酸1gあたり | |
|---|---|---|---|
| ホエイプロテイン | 約50円 | 約11〜12g | 約4.3円 |
| BCAA | 約80円 | 10g(3種類のみ) | 約8円 |
| EAA | 約150円 | 約10g | 約15円 |
EAAはプロテインの3倍以上の単価になります。それでもEAAを選ぶ理由があるとすれば、トレーニング中に胃に負担をかけずに飲みたい、消化の過程を挟まずに摂りたい、といった用途の話です。「プロテインより効率がいいから」という理由でEAAに乗り換えるのは、コストの面では割に合いません。
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グルタミンは体内に最も多く存在する遊離アミノ酸で、通常は体内で十分な量が合成されます。ただし激しい運動・ケガ・強いストレスがかかると消費量が増え、合成が追いつかなくなる場合があるとされ、「条件付き必須アミノ酸」と呼ばれます。
腸の細胞や免疫細胞のエネルギー源として利用されるアミノ酸として研究されており、長時間の激しい運動の後は血中濃度が一時的に低下するとされています。トレーニング強度が高い時期や季節の変わり目に、コンディション維持を意識して取り入れる方が多い成分です。
摂取は1回5g程度を1日1〜2回、トレーニング後や就寝前に。プロテインやクレアチンと同じシェイカーに混ぜられるため、習慣に組み込みやすいのが利点です。なお、うま味成分のグルタミン酸とは別の成分なので、購入時に表記を確認してください。
どちらも一酸化窒素(NO)に関わるアミノ酸で、トレーニング前のプレワークアウト製品によく配合されています。NOは血管の広がりに関わる物質として知られており、トレーニング中の張りを求めて取り入れる方が多い成分です。
アルギニンはNOの直接の材料になる一方、経口摂取では腸や肝臓で分解される割合が高いとされています。シトルリンは体内でアルギニンに変換され、分解されにくく血中濃度を保ちやすいとされています。
| アルギニン | シトルリン | |
|---|---|---|
| 体内での立ち位置 | NOの直接の材料 | 体内でアルギニンに変換される |
| 経口摂取後 | 分解される割合が高いとされる | 血中濃度を保ちやすいとされる |
| 胃腸への負担 | 量が多いと感じやすい | 比較的少ないとされる |
| よくある摂取量 | 1回2〜5g | 1回6〜8g |
「アルギニンよりシトルリンの方が実用的」と説明されることがあるのはこの違いによります。ただし両方を配合した製品が主流で、片方に絞る必要は必ずしもありません。摂取は30〜60分前が目安です。
アルギニンは強いアルカリ性で、空腹時に高用量を摂ると胃部不快感や下痢が生じる場合があります。10g近い量を一度に摂るとお腹がゆるくなる方がいるため、2〜5g程度から始めて様子を見てください。
EAA・BCAAを「トレーニング中の1本」として使うなら、濃度と飲み方に少しコツがあります。
なお、トレーニング中の水分補給そのものにも意味があります。アミノ酸を入れることが目的化して飲む量が減るなら、水だけのほうがましです。
アミノ酸サプリを一度に全部そろえる必要はありません。優先順位をつけるなら次の順序が現実的です。
1. プロテイン(この記事の対象外だが、たんぱく質の土台)
2. EAAまたはBCAA:トレーニング中に飲むものが欲しくなったら
3. グルタミン:トレーニング強度が上がって体調管理が気になったら
4. シトルリン・アルギニン:トレーニング前の一杯を作りたくなったら
2〜4はいずれも「なくても困らないが、あると習慣が整う」層です。月々の出費と相談しながら、1つずつ増やすのが無理のない進め方です。
Q. EAAとプロテインは併用してもいいですか?
差し支えありませんが、コストを考えると優先度は高くありません。併用するなら、プロテインは食事のあいだを埋める用途、EAAはトレーニング中の用途、と役割を分けると重複が減ります。
Q. BCAAをすでに持っています。EAAに買い替えるべきですか?
使い切ってから考えて構いません。BCAAが無意味になるわけではなく、9種類そろっているほうが理にかなっている、という程度の差です。買い替えを急ぐより、1日のたんぱく質量を確認するほうが先です。
Q. 空腹時のトレーニングにはどれが向きますか?
胃の負担を避けたいならEAAが選ばれることが多い場面です。プロテインは消化に時間がかかるため、直前に飲むと重く感じる方がいます。ただし前の食事から2〜3時間しか空いていないなら、あえて足す必要はありません。
Q. グルタミンはプロテインと混ぜても問題ありませんか?
差し支えありません。無味に近いので、プロテインやクレアチンと同じシェイカーで問題なく飲めます。習慣にしやすい組み合わせです。
Q. アミノ酸は太りますか?
アミノ酸も1gあたり約4kcalあります。EAA 10gなら約40kcal。1日全体のカロリー収支に含めて考えてください。甘味料入りのドリンクとして何杯も飲む使い方をすると、意外に積み上がります。
アミノ酸サプリは食事で摂るたんぱく質を置き換えるものではなく、足りないところを補うための食品です。ここに挙げた摂取量やコストは一般的に案内されている目安であり、体格や運動量、製品によって変わります。
通販サイトで価格・レビューを確認できます。
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※ 最終確認日:2026年8月16日。リンク先の内容は各機関により更新されることがあります。
この記事を書いた人
motsu
20代で体重90kg超の運動不足から一念発起。試行錯誤の末に大会入賞レベルまで体を変えた実体験をもとに発信しています。
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